他人海峡

海峡わたる 海鳥は
傷つきながら 身をよせて
船のマストで ねるという
恋に破れた このわたし
まぶた閉じても 眠れない
雪がちらつく 他人海峡
あなたを捨てにゆく

あなたにいつも 愛されて
添い寝のすきな 黒髪が
顔にまつわり 泣いている
みれんごころと 同じよに
沖でゆれてる 漁火よ
だれが名づけた 他人海峡
霧笛が吠えてます

いのちをそっと 詰めてきた
赤い鞄を 手にさげて
生きる明日を 見つけたい
旅の終りが 遠くても
呼ぶな東京 ふりむくな
北のさいはて 他人海峡
夜明けが道しるべ
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