海峡列車

赤いランプの 桟橋おりて
北へ乗り継ぐ みなと駅
たった一度の いのちの恋が
風にちぎれる 茜空(あかねぞら)…
惚れていながら さすらう旅を
ベルが急(せ)かせる 海峡列車

車窓(まど)のむこうに またたく灯(あか)り
ふたり暮らした 雪荒野(ゆきこうや)
淋しがりやの おまえがひとり
泣いちゃいないが 気にかかる…
心ならずも 別れて来たが
うしろ髪ひく 海峡列車

あれは おまえか 凍(い)てつく海を
はぐれ鴎(かもめ)が 追いすがる
春になったら 花咲く町で
みんな忘れて 出直せよ…
おもいきれずに あと振り向けば
星が流れる 海峡列車
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