雪割草

白銀の 白銀の 谷のほとりに
花ひらく 花ひらく 雪割草よ
夢ひとつ ああ 雪崩に消えて
道さえも 見えぬ眸に
沁みとおる 沁みとおる 花の薄紅

花びらの 花びらの 淡い香りに
浮かびくる 浮かびくる 遙かな人よ
信濃路の ああ 祭りの夜に
ぬくもりを 指に残して
還らない 還らない 愛のはかなさ

山脈の 山脈の 風に揺られて
灯をともす 灯をともす 雪割草よ
哀しみの ああ 吹雪に耐えて
やすらぎの 春が来るまで
咲かせよう 咲かせよう 花を心に
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