北陸流れ旅

雪の袈裟着た 白馬岳の
膝にすすきの 花添えて
旅に出たのは 三十路はじめ
三味が折れるか 男が立つか
意地と道づれ
ひとり渡った 黒部川

今朝の他人が 昨日は命
変わる宿命を 嘆くまい
それが人生 倶利伽羅峠
つらい思いは おわらの唄に
秘めて流せば
湯の香 ほほえむ 加賀の街

あの娘どうした 気になりながら
旅は二人を 遠くする
粟津 逢えない このもどかしさ
船にのせれば 空似の女の
細い衿あし
濡らす若狭の 小夜しぐれ
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