嫁入り峠

馬にゆられて 峠を越える
可愛嫁ごの 角かくし
親の思いを いっぱい詰めた
たんす長持ち かつぐ人
おくり出す日の お立ち酒

となり村まで 三里の道を
あゆむ道中 かごや唄
里のことなど 心配せずに
愛し愛され むつまじい
花の夫婦(めおと)で しあわせに

お前お立ちか お名残惜しい…

道のほとりの お地蔵さんに
どんな願いを かけるやら
今日のこの道 幼子つれて
母という名で 里がえり
その日夢みる 親ふたり
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