生まれたところを遠く離れて

生まれたところを遠く離れてうたう
この子に いつの日にか光がみえるように

車窓ごしで見送るお袋の忘れられぬ涙よ
捨てちゃならねえものを
おれはたわいもなく失くしたようだ

どこの町でも 聞かせてやるさ
捨てた故郷とひきかえの馬鹿息子の Rock & Roll
だけどもし少しばかりの紙切れを稼げたら
両親に小さな家を買ってやりたかったおれさ

誰もが何かを売りわたし 生きてゆくさ この世じゃ
だけど何も売るものが無かった あの娘が何を売ったか
「お前にゃ どうせ理解るまい 鉛色のその目じゃ!」
だけど振り上げた拳に 顔背けた弱いおれさ

どこの町でも 聞こえてくるよ
貧しい暮し 精一杯やってみても抜け出せない
そうさ親父も16の時から働いて働いて 働いてきたけど
この世に住む家もなく その日暮しの毎日さ

どこの町でも 聞こえてくるよ
道を失くした男達の行き場の無い呻き声が
だけど誰も自分のことさえ救えない この世じゃ
痛みを理解り合えても 言葉はただ「さよなら」だけさ

生まれたところを 遠く離れてうたう
この子に いつの日にか光がみえるように
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