みちゆき

十日も早い 冬のおとずれ
波しぶく海の 嘆き歌
この世に二人の 恋のみちゆき
寄りそえば あたたかい
肌の熱さが なぐさめる

海猫だけが さわぐ岸壁
立ちつくす船が 身もだえる
北行くさだめの 恋のみちゆき
風に鳴る 窓をあけ
行くに行けない 海を見る

都を捨てて 夢を残して
さまよえば 既に 冬景色
愛して生きたい 恋のみちゆき
くちびるに ふれたまま
思いあふれて 涙ぐむ
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