大阪情話

ゆれる水面に大阪の
盛り場ネオンは浮かれ咲き
派手なさわぎをよそに見て
細いおまえの肩を抱く 肩を抱く

夫婦善哉ひとりより
二人がいいわと 云うおまえ
石の不動に水をかけ
あわす両手がいじらしい いじらしい

おれも男になりたいと
つぶやく灯かげの 咽せタバコ
銀杏並木に秋が来て
しぐれ冷たい通り雨 通り雨
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