不思議な鳥

その時 二人は空を見上げた
名もない鳥が 明日へ高く舞いあがる
ひたすら 流れる雲の間に
光と影を追いかけ まどろむ世界

臆病な恋に うめき声あげて
痛みに手のひら 押しあてる
ため息の夜が 過ぎ行く気配に
いそがしく 時刻だけ 刻んでるメロディー

散らばる街の灯 たそがれの時
過去に無口な人達 両手でかきわけ
忘れた言葉を とり戻せたら
そこにわずかな 微笑み 置いて行きたい

ほんのひと呼吸 息ついてみても
意味のないゲーム 終わらない
しがみつく夢に 酔いしれていたら
無造作に ふりかかる 琥珀色の雨

確かな面影 抱きしめながら
張りつめた胸 今夜もそっとゆるませる
激しく波打つ いばらの海に
落ちる涙を しずめた罪な旅人

重い扉 開くたびに にじむ滑走路 つづく

その時 二人は空を見上げた
名もない鳥が 明日へ高く舞いあがる
ひたすら 流れる雲の間に
光と影を追いかけ まどろむ世界

不思議な鳥が 明日へ 高くとび立つ
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