月の雫

月の光で 読む恋文は
貴方に逢える ときめきよりも
逢えない夜の せつなさを
女ごころで 奏でます
笹の葉さやさや 鳴る夜に
こっそり忍んで 来て欲しい
明日…いいえ… 今すぐに
綴った愛が 真実なら…

月の雫に 濡れて咲く
宵待草は おんなの涙
悲しいほどに 美しく
人の哀れを 誘います
時雨がしとしと 降る前に
結ばれたいのよ 永遠に
明日…いいえ… 今すぐに
一夜を想う 千夜にも…

粉雪ほろほろ 舞う前に
こっそり奪いに 来て欲しい
明日…いいえ… 今すぐに
夜空に浮かぶ あの「月の船」で…
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