戻り橋 独り唄

戻りを待って 三十路を越えた
女は京の 橋の上
なのに男は 他国の空で
妻をむかえて いるとゆう
つらい噂が 噂ばかりが
ああ 戻り橋 なみだ橋

まぼろしだけの 逢瀬を待って
若草山も 枯れる頃
両手かざして 堀川通り
避ける北風 身にしみて
守りつづけた 愛の誓いも
ああ くずれ橋 踏まれ橋

想えばいつか 願いが叶う
おまもり抱いて 橋の上
姿 容姿は はんなりしても
恋に頑な 京女
胸に 炎の 薪 燃やして
ああ 戻り橋 独り唄
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