男の夜曲

夜の巷に さそわれて
ついた所が 祇園町
酔えない酒と知りながら
のみほす心 誰が知る 誰が知る

嘘もまことも わからずに
ほれたお前が 若かった
女心を うらまずに
忘れてのんだ 男酒 男酒

酒が涙を さそうのか
涙が酒を さそうのか
別れのつらさが 淋しさが
心にしみる 夜だから 夜だから

忘れられない 面影を
追えばつめたい 夜の雨
花見小路の 灯も消えて
帰らぬ人よ 今いずこ 今いずこ

男柳が 泣いたとて
泣いちゃいけない 男なら
加茂の流れは 変われども
まことの心
一すじに 一すじに
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