次郎長笠

富士を背にした 東海渡世
清水港は 男で明ける
向こう行くのは 次郎長どんか
義理と人情 道連れに
今日も前向け 三度笠

意地を通した 男の背に
泣いて見送る 情けが重い
儘にならない 浮世の風に
恋も未練も 振り捨てて
抱いて長脇差 今日も行く

縞のカッパに 桜の吹雪
男伊達なら 二十と八つ
惚れて預けた 命じゃないか
守り抜きたい 夢みこし
ぐいと睨んだ 富士の山
×