二行半の恋文

えり足に黄昏ゆれて きみ恋し
ふり向くまでの みじかき時間 狂おしく見る
いつの間に 乙女の殻を 脱ぎ捨てて
静かが似合う 大人となりぬ 紅うすくつけ

何色のインキで書くが 艶くや
色にあらずと 知りつつ選ぶ 恋文なれば
おずおずと 唇よせる ひとの顔
目を見開いて たしかめており いとしさあふれ

このままに 赤く燃えたら 灰になる
清らなひとは 清らなままに 夜ふけに帰す
もう恋は 神に委ねし 年齢なりと
佳人の爪の 光るを思う 吐息とともに
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