琉球(しま)の恋歌

南風が吹くたび 心が騒ぐ
珊瑚の海が 瞼にゆれる
きっと貴男は あの麗海で
三弦奏で 恋歌綴る
わたしは飛べぬ 山端水鶏
波の石垣 逢いにも行けず

噂通りに 貴男の恋歌は
誰かに盗られ 届いてこない
紅のデイゴか あの美人は
憎い花だよ 天まで焦がす
わたしは飛べぬ 山端水鶏
思い乱れて 彩さえ冴えぬ

夢の中なら 千里も走り
この黒髪で 繋ぎもするに
東風よ伝えて 誰より好きと
夜通し揺すれ 貴男の胸を
わたしは飛べぬ 山端水鶏
闇の新月 祭りは遠い
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