ひと汽車おくれて俺も逝く

俺が愛した 黒百合の花
咲いて散りゆく 病葉(わくらば)いとし
これから何を 心のささえ
四十路中途で 逝(ゆ)くなんて
神は無情か 生命灯(いのちび)消えて
ひと汽車おくれて 俺も逝(ゆ)く

寒くなるわと 手編みのセーター
糸のほつれが 涙をさそう
北国海峡 連絡船で
生まれ故郷(ふるさと) 帰りたい
写真見つめて 落した涙
ひと汽車おくれて 俺も逝(ゆ)く

窓に小雪が ちらつく夜は
人肌恋しい 手酌の酒になる
おまえの好きな アカシアの花
鴎群れとぶ 丘の上
俺の名前も ほりこんで
ひと汽車おくれて 俺も逝(ゆ)く
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