上州子守唄

赤城下ろしの 空っ風
やくざ渡世にゃ なお沁みる
罪も恨みも ない人を
斬らにゃ通れぬ 上州路
男 板割 浅太郎
泣かぬつもりが 男泣き

(セリフ)親分 叔父貴、三室の勘助は私が斬って参りやした。
叔父貴殺しのその罪と忘れ形見の勘坊は
私が生涯 背中に背負って参りやす。
泣くんじゃあねぇ 勘坊。
男が泣いちゃあ 赤城の鴉に笑われらぁ…。

同じ血を引く 命より
義理が重たい 渡世とは
瞼閉じれば その裏に
またも叔父貴の 顔が浮く
叶うものなら 盃を
水で洗って 返したい

親の仇と 知りもせず
愚図る坊主の あどけなさ
縞の合羽を ねんねこに
長脇差を持つ手に 犬張子
やせた赤城の 三日月に
歌う上州 子守唄

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