62

人気ない バルコニー肩寄せて
ラララ 同じ空を見上げてた

62m先 工事中の目覚ましが
夕暮れ鳴り響く舗道
よく通ったカフェテラス 少し苦い珈琲
君が好きだったテーブル

602号室の鍵 錆びついたドアの向こう
ずっと空けたままの場所
隙間から差し込む光 キラキラ舞い上がる埃
君がくれたいくつかの嘘

目を閉じてそっと耳をすませば 今も残る鼓動響く

思い出ばかり詰め込んだバッグ 君と歩んできた分だけ
大切にしまいこんだまま 別々の方向へ

62ページ目にある短い夢物語
挿絵に描かれた二つの影
おとぎの城に向かって 手をつなぐ後ろ姿
真っ白な夜に包まれて

左手にずっと君のぬくもり 振り払えないままいたよ

消せない影を見ないふりして いつも強がり言ってただけ
気がつけば大切な日々は 何も言わず過ぎていく

思い出ばかり詰め込んだバッグ 君と歩んできた分だけ
大切にしまいこんだまま 別々の方向へ

ひとりきり バルコニー佇んだ
ラララ 同じ空を見上げてる
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