おしず

あと二日 もうひと夜
はじめて逢った あのやどで
指の先まで あまえたい
きつく結んだ 塩瀬帯
細い体が 痛みます 折れそうに
雪国 おしずを 忘れないでほしい

燃えたって 雪なさけ
死ぬほど好きに なるなんて
ばかね私が 悪いのね
離ればなれの 長い冬
つらくなります 明日から また一人
待ってる おしずを 忘れないでほしい

むらさきの 蛇の目傘
あなたのほうへ 傾けて
歩く雪道 ころびそう
泣いてとめても 帰るひと
上り列車の 憎らしさ あの汽笛
あなたの おしずを 忘れないでほしい
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