夕子

うたをひとふし くちずさみ
グラス片手に 泣くやつだった
夕子 おまえが 消えてから
こころにひゅるひゅる 風が吹く
恋は涙か 男と女
俺は今夜も しのび酒

淡い洋燈に 肩寄せて
ゆめを見ていた 俺達ふたり
錆びた貨物の 船にのり
異国へゆくかといいながら
ゆれて止まり木 男と女
あれが最後の 夜だった

夕子 おまえは どこの店
咲いていてくれ 可憐な花で
俺があの頃 まともなら
指輪のひとつも やれたのに
逢えば別れる 男と女
きっと探して 抱きしめる
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