なさけ宿

川の流れに 月影ゆれて
北信濃 湯田中 灯がともる
君住む町は 湯の香街
香り漂う 湯けむりは
情念ときめく ああ なさけ宿

霧の流れに この身をまかせ
愛のぬくもり 感じたい
命かぎりに 尽くしても
咲くに咲けない 月見草
一夜泊まりの ああ なさけ宿

時間の流れに 水割焼酎を
燃えて残り火 つきるまで
酔ってあなたに すがりたい
夢を下さい 夜明けまで
明日は別れの ああ なさけ宿
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