冬紅葉

連れがあとから遅れてくると
待てばみちのくしぐれ宿
あなた…あなた…
あなたいいのよ来なくとも
あゝ泣くだけ泣いて
情けひと枝 すがる冬紅葉

夜があんまり長すぎるから
ひとり手酌で死にたがる
酔って…・酔って…
酔って抱かれただけですか
あゝ答はいいの
未練ひと彩 燃える冬紅葉

風におびえて目覚めた夜明け
枕さみしいしぐれ宿
情け…情け…
情けないほど好きだから
あゝ寒さを抱いて
せめてひと冬 散るな冬紅葉
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