流氷情話

流氷が 岸に押し寄せ
しんしんと 肌を突き刺す
凍りつく 夜に震えて
旅の男に 添い寝する
ぬくめておくれよ ねぇあんた
北のおんなの こころと躰(からだ)
ひと晩かぎりの 縁だけど
淋しさ忘れりゃ それでいい ハァーアアア

流氷に 耳を澄ませば
きゅるきゅると すゝり哭(な)いてる
明朝(あした)には もとの他人に
戻る男が 憎らしい
訪ねておくれよ また春にゃ
あてにしないで 待ってるからさ
縋って泪も 見せられず
むしゃぶりついてる 闇ン中 ハァーアアア

ぬくめておくれよ ねぇあんた
北のおんなの こころと躰(からだ)
ゆきずり同士の 男女(ふたり)でも
抱かれて眠れりゃ それでいい ハァーアアア
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