冬の桑港

あなたの心から 旅立つなら
想い出さえ ついてこない 冬の桑港(シスコ)
見送る人もない 夜霧の空港
硝子(ガラス)窓のむこう側に 過去を残して
あゝ 泣き濡れるほど 今では若くないけど
あゝ こんなに人を 痛いくらい愛したなんて
もうふたりを つなぎとめる
心さえ この都会(まち)に 捨ててゆくから

あしたに悲しみを 連(つ)れてくなら
涙も凍らせてしまう 冬の桑港
身体(からだ)の淋しさを ワインで酔わせて
満ちたりてた あの日だけを 夢に誘って
あゝ 優しくされた やきつく愛は深くて
あゝ うしろ髪ひく 胸の慕(おも)い消せないけれど
もうふたりを つなぎとめる
心さえ この都会に 捨ててゆくから

あゝ 泣き濡れるほど 今では若くないけど
あゝ こんなに人を 痛いくらい愛したなんて
もうふたりを つなぎとめる
心さえ この都会(まち)に 捨ててゆくから
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