北どまり

向こうは凍てつく オホーツク
赤いランプが 海沿いに
揺れて遠去かる 揺れて遠去かる
さいはて列車
あなたの迎えを 待つくせに
わざと強がり 意地を張る
女ひとりの 北どまり

男にゃよくある あやまちを
許せなかった あの時は
一人泣きに来た 一人泣きに来た
別れも告げず
馴れては来たけど 夜明けまで
沖で流氷 哭く音に
眠れないのよ 冬岬

ほどなく海明け オホーツク
女ごころの しあわせを
早く乗せて来て
早く乗せて来て さいはて列車
時おり頬打つ 北風も
春の近づく 足音に
何故か聴こえる 北どまり
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