浅草人情

ひとつたのむと 肩叩かれりゃ
横にゃ振れない 首根っこ
そんな気性が つっ張りすぎて
いつか浮巣の 都鳥
なつかしいねえ
月もおぼろな 浅草は

大川で生まれた 小魚たちも
夢の浅瀬を さかのぼる
橋を渡れば おふくろさんの
なさけ細露地 向島
おっといけねえ
俺にゃ敷居が 高すぎる

幼馴染の 観音さまが
男ごころの 蝶番
どこを押しても 弱音は吐かぬ
意地の張子が ついほろり
泣けてくるねえ
時雨 馬道 鐘の音
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