放浪船(さすらいぶね)

別れ歌きく棧橋は
縁を切るひと すがるひと
世間が許さぬ 恋をして
石のつぶてを 受けるひと
ああ わたし
あてない なみだ船

傷の深さに 気がついて
あとは女の ぬけがらよ
お人形みたいに 抱(いだ)かれて
似てる面影 追っている
ああ わたし
あてない ながれ船

ここはどこやら 誰の胸
さめて悲しい 夜明けごろ
うわさに追われた ふるさとへ
明日(あす)は帰ろか 明後日(あさって)か
ああ わたし
あてない かえり船
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