故郷へ帰る

草山の 草に腹這い
谷川の 瀬音を 聞いた 故郷の夏よ
家を出た 朝の虹が
いまも瞳に しみてのこる

高原の 駅にたたずみ
北国の 夕陽を あびた ながれの旅よ
落葉舞う 暗い町が
目がしらに 遠くうかぶ

いま帰る 山のふるさと
谷川の 瀬音に しのぶ あの日の夢よ
ひとり待つ 母はやさし
老いの瞳に なみだためて
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