北国

愛しているといえないで
別れてきたが
北へ行くほど 面影が近い
青くかすむオホーツク
はまなす揺れて
沖ゆく船も小さな
幸せ連れてゆくのか-
恋を背にする旅情は
影が追いてくるだけ

死んでもいいさ二人なら
この世の果てで
遠く離れて この胸が炎える
独り歩く爪先
はまなす揺れて
可憐に咲いて寄り添う
引いては返す波音-
恋を背にする旅情は
胸に初秋がしみるよ

忘れようとするたび
はまなす揺れて
別離を責めて泣くのか
かすかな耳の潮騒-
恋を背にする旅情は
風も頬につめたい
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