さだめ波

こころに激しく 寄せる波
それをこの世の 恋と言う
唇かんで あきらめる
涙引き潮(しお) 別れ波
波に託した 女のさだめ
砂に埋めたい 傷もある

あなたの名前を 潮風(しおかぜ)に
呼べば涙が 頬(ほほ)つたう
愛した日々の 思い出を
波が心に 呼び返す
みれん夕焼け くれない砂丘(さきゅう)
生きる淋しさ ただ染める

この手でかたく 握(にぎ)っても
指をこぼれる 恋の砂
昔に返る すべもなく
明日(あす)へ流れる さだめ波
なにを頼りに 生きたらいいの
胸に残るは 面影(かげ)ばかり
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