塀の上で

空は未だ群青色の朝
外はそぼ降る鈍色の雨
窓にこびりついた残り顔流し
牛乳瓶に注ぎ込む雨よ

惚れられ惚れて早一年経って
若さと馬鹿さ空転りするさ
ヒールが七糎のブーツをはいて
ぼくを踏み潰して出ていった朝よ

塀の上で 塀の上で
ぼくは雨に流れみてただけさ

誘導灯が秋波くれて
広告塔も空に投げキッス
羽田から飛行機でロンドンへ
ぼくの嘆きを持ってお嫁に行くんだね
今日は

塀の上で 塀の上で
ぼくは雨に流れみてただけさ
塀の上で 塀の上で
ぼくは雨に流れみてただけさ
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