結晶

「抱きあえば 抱きあうほど 涙が出るのは
決して悲しいからじゃないよね
私を抱いてる その向こう側で
あなたは何かを探しているんでしょう」

「遠くへ行かないで お願いだから
私はここにいるのよ
あなたがみつめてる 私だけを見て
どこか知らない場所へ連れてって」

『たのむから そんなに苦しまないでくれ
一途な願いのまま 時を駆け抜けてゆけ
お前は お前を失いながら
俺の中で 迷わず溶けてゆけ』

『お前の吐息が寄せては返すたび
俺の鼓動に重なってゆくだろう
きっと生まれる前に 俺たちどこかで
出会っていたのかもしれないね』

「そのかすかな記憶をたぐり寄せるために
あなたは私を愛しているの?」
『そうさ もしも この俺が死んでしまったとしても
お前の 魂 の中で 俺は生きるから』

『たのむから これ以上 悲しまないでくれ
朝がくるその前に 二人で行こう
雪降る 限りなく白い場所へ
お前と二人で 行こう

雪降る 限りなく白い場所へ
お前と二人で 行こう』
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