ひとり宿場町

湯煙り草笛 宿あかり
木曽路は日暮れの 山の中
楓の林に 吹く風が
あなたの想い出 揺らします
死ぬほど泣いて 別れても
忘れることさえ 出来ない私
奈良井 薮原 宿場町
雲と二人で 旅をゆく

竪繁格子(たてしげごうし)の 町並の
旅篭に淋しい 灯がにじむ
石段のぼれば 赤々と
うなじに紅葉が匂います
あなたといつか 来るはずの
木曽路にもうすぐ 風花舞うわ
野尻 福島 妻篭宿
夢も悲しい七曲り

逢えるでしょうか もう一度
死ぬことさえも 出来ない私
馬篭 落合 中津川
木曽路十四の なみだ宿
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