男の哀歌

故郷を出たときゃ おれだって
でっかいのぞみを 持ってたが
みんなどこかへ とんでった
それでも場末の居酒屋で
ほらを肴にひとり酒
これもきらくで あゝ いいもんさ

雨がしょぼしょぼ 降る夜更け
送って行くわと 女の子
いいことあるかと 思ってた
ところが オンボロアパートの
前でじゃあねと それっきり
せんべ布団が あゝ 身にしみる

昨日 おやじの手紙来て
おまえは みどころあったから
期待をしてると 書いてある
泣くなよ おふくろ 運命だよ
草がなければ 花だって
目立ちゃしないと あゝ ひとりごと
×