湯の町慕情

うしろ姿の 淋しげな
肩のあたりが お前に似てる
山のいで湯で ゆきずりに
逢って別れた 女の影が
俺の心に しみついて
離れないんだ 湯の町慕情

酒におぼれた 体でも
愛は売らない あなたのものよ
俺にすがって ただ一度
泣いて甘えた 可愛いお前
むせぶ湯の香に しみじみと
思い出すんだ 湯の町慕情

風の便りに また聞いて
ひとり訪ねた いで湯の町よ
逢えばお前を 責めるだろう
俺は逢わずに 綺麗な夢を
じっと心に 抱きしめて
生きてゆくんだ 湯の町慕情
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