砂になりたい

心がこなごな こわれた私
体もさらさら 砂になりたい
春になっても まだ寒い
北の砂丘を ただひとり
日本海から 吹く風で
砂のつぶてが 頬をうつ
うらんでいうのじゃ ありません
恋でこの身が 燃えつきました
山陰本線 夜の汽車
明けて砂丘の 砂もよう

指の間を 音もなく
砂がこぼれて 行きました
まるで私の しあわせと
同じようねと つぶやいた
あなた以上の いいひとに
会えるのぞみが 持てないのです
山陰本線 夜の汽車
明けて砂丘の 砂もよう
心がこなごな こわれた私
体もさらさら 砂になりたい…
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