君の唄

雨に濡れるとき
僕が描くのは
飛び出してはしゃいでた
君の足もと

虫が唱うとき
僕が描くのは
涼しげに傾いた
君の耳もと

何も無いけど
この心だけ 握りしめたまま
僕は描くよ おぼろな色で
いくつもの君を

風が薫るとき
僕が描くのは
手をつなぎ影たどった
君のふるさと

月が照らすとき
僕が描くのは
大人びて夢語った
君の口もと

何も無いけど
この心だけ 失くせないままで
僕は戸惑う まだとめどなく
あふれだす君に

道に迷うとき
僕は立ちどまり
目を閉じて聴いてみる
君のひとこと

何も無いけど
この心だけ 握りしめたまま
僕は描くよ おぼろな色で
いくつもの君を

何も無いけど
この心だけ 失くせないままで
僕は向き合う 君を離れて
歩き出す今と
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