わがまま

うわさ覚悟の忍び立ち
秋給せ 吹き抜ける しぐれ風
あなた許して わがままを
逃げる背中に 降りかかる
落葉かなしや 岩寿の女

冷めて重ねる 盃に
ゆれもせず 消えてゆく 口紅の色
罪の重さに 耐えながら
燃えてこぼれる ひとすじの
泪はかなや 岩寿の女

道をはずした わたしです
責めならば 受けましょう 人の世の
骨も 命も その腕に
賭けて渡った 紅葉川
瀬音わびしや 岩寿の女
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