真昼の月

何も語ることのない
見慣れた改札 ため息二つ
ほんのささいな誤解と
つよがりが二人 見送れずにいる

その小さな手のひらに 握りしめた最後の言葉
ざわめきの隙間から 不器用に手放した

いつまでも 笑い合えると
信じてた あの頃でさえ
いつからともなく近づいていた
物語の終わり

心はずむような日々
まぶたに焼きつき 離れはしない
痛く響きわたるベル
まわりの動きが止まってみえた

涙の跡を隠すために 窓に額を押しつけた
そっと想いがこみあげる 景色流されていく

いつまでも 笑い合えると
信じてた あの頃でさえ
どちらからともなく呟いてた
つよがりの約束

見上げれば 真昼の月が
すんなりと うなずいていた
いつかどこかで君と出会ったら
どんな顔見せるのだろう

肘をかく 小さな癖も
伝えきれなかった言葉も
今では日々を支えてくれる
歩き出せるように

見上げれば 真昼の月が
あたたかく うなずいていた
いつかどこかで君と出会っても
笑い合えるように
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