線路沿いの木苺

各駅停車の窓に 踏み切りの音が響く
出逢っては別れゆく線路 そして また駅に着く
曖昧な恋の終わりを 指のはさみで断ち切って

今 桜 降る ホームに立ち 記憶と綴じた
赤い糸の落ちた先 にじむ視界の向こう
揺れた木苺の花

別れては 離れゆく想い そして もう違う駅
君だけを見続けていた 終わりの時もわからずに

今 桜 降る 改札 抜け 瞳を閉じた
赤い糸を手繰り寄せ 結ぶ うららかな風
揺れた木苺の花

恋してた ただ ひたすらに 愛しい君へ さようなら

今 桜 降る 改札 抜け 歩いてゆくよ
赤い糸のなびく先 風の誘うままに
揺れる木苺の花
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