春の雨

あなたの重荷に なるからと
路地(ろじ)を小走(こばし)り 傘で泣く女
春の雨 降りしきる
あきらめばかり 先にたつ
そんなおまえの 襟(えり)ぼくろ
なにも言わずに 黙(だま)ってついて来い

踏(ふ)まれてきたのか 人の世(よ)に
肩の薄さに 匂(にお)う沈丁花(ちんちょうげ)
抱きよせりゃ ぬらす雨
おまえの過去は 俺の過去
かけてみないか もう一度
俺の明日(あした)に 女のしあわせを

ほんとに 私で いいですね
俺を見つめて すがる細い指
ばかだなぁ もうよせよ
おまえの他に 誰がいる
遅(おそ)い春でも 春は春
生きてゆこうよ ふたりの人生を
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