火車の轍

風が猛る虚空を抜けて
死者を攫い何処へ消える

羅袖はためき裂けて
呼ぶ声も遠く闇に飲まれた

葬斂の跡は 火の轍
弔いを焦がす

雨に濡れる五月雨の午后
引き裂かれた儕の許

逆巻く風に煽られて
呼ぶ声も遠く闇に飲まれた

葬斂の跡は 火の轍
弔いを焦がす

驀地に駆ける 火の轍
焦熱の葬車
×