柳川慕情

水の都に 降る雨は
音もたてずに 想い出ぬらす
人の許さぬ 恋をして
つらい涙で 別れた町は
あゝ 今日も雨

これでいいのと 目を伏せて
おれの背中で 泣いてた女(ひと)よ
遊びなんかじゃ なかったと
言わずじまいの 言葉が今も
あゝ ほろ苦い

きみを尋ねて ゆく町は
酒場(みせ)の名前も 噂も消えた
もしもふたたび 逢えたなら
抱いてやりたい 小さな肩を
あゝ この胸に
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