うきぶくろをもって

うきぶくろをもって 海にいこう
焼けすぎた砂で 城をつくろう
ぼくの事は もう構わなくていい

水平線のかなたに―そう 船が浮かんでるのは
遠い国の密入国者の船かな
こちらをじっと見つめたまんま 沖の瀬に消えて行く
空の遠く 何もかも君は見ていたんだろう

雨あがりを待って 山にいこう
カブトムシをとって みせびらかそう
ぼくの街じゃ もうかえる場所もない

海岸線の岬にじっと 誰かが立ってるのは
ぼくの街に 嫌気がさした自殺者かな
こちらをじっと見つめたまんま いつしか消えている
どんな顔で神様はそれを見ているんだろう
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