キャラバン

ひとり放浪(さすら)う 異国の町に
今日も真っ赤な 陽が墜ちる
昨日出逢った キャラバンの
可愛いあの娘の 面影を
棕櫚(しゅろ)の葉かげの 夢に見る

旅の窓辺に 月影青く
思い出させる 故国(ふるさと)よ
遠い太鼓は キャラバンか
砂漠渡って 吹く風が
そぞろ身に沁む エトランゼ

別れ惜しんで あの娘がくれた
音色やさしい 銀の鈴
歌も淋しい キャラバンの
影が消えゆく 地平線
夕空(そら)に涙の ひとつ星
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