せつない自由

海沿いから 吹く風は秋の気配
桟橋に雲が なびく
終わった恋 また取り出しては
ひとり 溜め息ついた

誰より近く 感じた心が
誰より遠く 離れたけれど
一番会いたい人 今も想い出とは
まだ 呼べなくて
こんな時 泣けたらいいのにね

覚えたての歌 口ずさむような
下手な愛を繰り返し
大事に想う程 君の夢が
いつか 許せなくなってた
幾つもの夜 語り明かしたね
別れるなんて 思いもせずに
笑顔のままの君が よぎる

誰より近く 感じた瞳が
誰より遠く 離れたけれど
一番会いたい人 今も青い空に
目を奪われて ぽっかりと
胸に染みた自由 
哀しみより 淋しさより
あの日 君が残していった
この自由が せつない
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