恋人たちの時刻

はじめてのくちづけ
あなたにあげたから
淡色の絵の具で
わたしを染めぬいて
あなたのコオトにくるまり
木枯らしの街を駆けた

春はまだ南の
海辺で遊んでる
さよならをかくして
あなたを抱きしめた
なくした言葉のかけらが
てのひらで涙にかわる

いつか
わたしは過去に手をふり
あなたは夢に生きる
遥かな恋はひき潮
砂はかわいた音をたてる

おきわすれたラジオ
聴いている天気図
それぞれの街角
あたらしい風が吹く
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