鳥籠姫

鳴いてごらん Cuckoo きれいな声で
ぼくのことを愛していると
いとおしい小鳥 きみはぼくだけの
いつもそばで 歌っておくれ

やさしくささやく あなたの声が
今も確かに きこえるけれど
それは海からの風が運んだ
どこにもいない人の幻

長い長い孤独の時
帰らぬ人を 待ちつづけて

わたしはわたしを ここに閉じこめた
柳の枝で編んだ鳥籠
もう誰もわたしの 背中のねじを
巻いてくれる人もいないのに

鳴いてごらん Cuckoo きれいな声で
ぼくのことを愛していると
できるならきみを この籠の中
鍵をかけて 閉じこめたいよ

あなたの願いはどんなことでも
すべてかなえてあげたかったの
だけど願いだけ ここに残して
あなたは消えた 永久(とわ)の旅へと

海の見える 丘の家に
時間だけが 静かに積もる

わたしはわたしを ここに閉じこめた
柳の枝で編んだ鳥籠
わたしを作ったあなたの腕に
帰るその日を ひとり待ちながら
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