渓のおくりもの

あなたの足もと 朱色のたそがれ
枯れ葉の街路樹
数えながら 歩いてゆく

二人の影絵は ひとつになるけど
グレイの袖口
つかむだけで しあわせなの

小さな ガラスのかけらは
渓のおくりもの
川音に流されて
時の瀬に流されて
宝石みたいね

どうぞ今は 急がないで
わたしを 見つめていて

瞳にあふれる水面は
渓のおくりもの
せつなさに ゆらゆらと
あなたへとうちあげて
水晶みたいね

そしていつか 揺られながら
大きな海へ行くの
わたしを 見つめていて
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