海鳴りに誘われて

夜の海へと照らす head-light
銀の波間を走る シルエット
君と岬をこえたヨットも
岸につながれ
すぎ去る夏に おいてきぼりだよ

だれも何にも 言わないけれど
通りすがりを ひとりよそおい
渚に来たのさ

聞きなれたはずの 海鳴りも
耳につく夜
眠りかけた心が 目をさます

つかれた素肌 つつむように
君の背中へ しずんだ夕焼け
海をふたつに切りさくよう
走るヨットに
時さえ消える 甘い夢を見た

こわれるほどに 抱きしめたのは
たよりなかった 俺の若さと
潮風のせいさ

こわれるほどに 抱きしめたのは
たよりなかった 俺の若さと
潮風のせいさ

海はわがままな 子供のよう
渚に消えた
夏をいまでも波が 手まねくよ
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